小山 理屈より行動するタイプですね。亥年生まれですから(笑)。特別なことをしているつもりはないんです。極端にいえば我がままですかね。父親もそういう直情的なところがあって、遺伝かもしれません(笑)。
堀田 すばらしい遺伝子ですよ。
小山 あの路上の子たちを見ればたぶん誰でも心が痛むと思うんです。私は子供も大きかったですし、女房も教員をやっていて生活がある程度落ち着いていたから動けたという面もあります。あの四日間の旅行がなければたぶんそのまま教員をやっていたでしょうし、人生って不思議ですね。
堀田 人と人との出会い、ですね。
小山 本当にそう思います。
●小山道夫さんはベトナムの路上生活を送る子供たち=ストリートチルドレンを救う活動をするために二三年間務めた小学校教員を辞め、現地大学の日本語教師の職を見つけて一九九三年夏に単身ベトナムに渡った。その後現地でストリートチルドレンを世話する「子どもの家」の設立・運営に尽力し、現在は一〇〇名ほどの子供たちが共に暮らし、学校に通っている。日本でも小山さんの元同僚などが中心となった「ベトナムの子どもの家を支える会」が設立され、現地の活動を資金的にも支えている。