活動を通じて多くのことを学ばせてもらった。
「活動を始めてから早九年目。この間には、本当にいろいろなことがありました。協力会員の一人が病死し、ご主人も日頃から妻の活動を聞いていたということで、時間預託がすべて当センターに寄付されたというありがたい経験もさせてもらったし、ケアサービスにかかわる中で、たくさんの仲間を得、人と人とのつながりに感動をしたり、わずかな時間の中に生きざまを見せてもらったことも少なくない。この活動を通じて、お金には代えられない多くのことを学ばせてもらったというのが実感です」
もちろんこの間には、資金不足や人間関係の調整など、理事長として、心身共に相当な苦労も経験してきたことだろう。だが、須田さんはそうした苦労をおくびにも出さない。
「私、“自助努力”という言葉が好きなんです。たとえば、当センターでは資金づくりのためにバザーを開いたり、会報を一〇円で売ったりもしてきましたが、困難があるからこそ、それを乗り越えようとするエネルギーもわくもの。これはNPOに対してもいえることで、税制上の優遇がないとか、行政からの支援が受けられないなど、昨今、さまざまなNPOのデメリットが論じられていますが、そういうデメリットがあるからこそ、よ〜し、いい方向に向かわせてやろうじゃないか、という使命感がまた、ムラムラとわいてくるものなんですよ(笑)」