特集・新しいふれあい社会を考える
ふれあい切符のあるべき姿を考える
(文/奈良環)
介護保険が身体をみる仕組みなら、ふれあいボランティア活動は日常のちょっとした生活支援や心の交流を市民同士で支え合う仕組み。その有力な手法の一つとして、今「ふれあい切符制度」への関心が改めて高まっている。ニッポン・アクティブライフ・クラブ(NALC)や愛媛県関前(せきぜん)村の「だんだん」といった活動など、ふれあい切符は今後、こうした比較的安い利用料、あるいは無償を基本とした手法が注目を集めていくことだろう。しかし一方で、これまでの有償ボランティア活動との関連の整理も迫られている。一般読者や団体リーダーなどからの質問も増えてきた。そこで今号では、従来の経緯を踏まえて、実務的な内容と併せながら、ふれあい切符のあり方を整理してみることにした。(編集部)
ふれあい切符制度(時間預託制度)とは…
家事援助などのボランティア活動をした時間(または点数)を貯めておき、いずれ、自分や家族等がサービスが必要になったときに引き出して使うシステムのこと。各団体により、時間貯蓄、点数預託、労力預託、タイムストック等呼称もそのシステムもさまざまだが、さわやか福祉財団では、これらを総称して愛称で「ふれあい切符制度」と呼んでいる。