巻頭言 No.33
ボランティアとコミュニティサービス
●さわやか福祉財団理事長 堀田力
「おや、八つぁん熊さん、久しぶりだねぇ」
「いえね、ちょっと心配ごとがありましてね」
「はてと、遊ぶ金が足りねぇたって、貸せねぇよ」
「そんなちっぽけな話じゃござんせん。あっしらが心配してるのは、NPOなんで」
「NPO? それはまた、感心な」
「話を聞かずに感心しちゃ困りまさぁ。町内のさわやか福祉財団の堀田さんがね、これからの構造改革とやらで増える失業者には、NPO活動が一つの受け皿になると言ってますがね、大ぶろしきじゃないですかね」
「NPOにはそれだけの力がないというのかね」
「まだまだじゃないですかね。時代に合わない企業が倒産し出すと、職を失う人は何万、下手をすりゃ何十万にもなりやすぜ」
「しかし、そういう非常事態が起きる時にNPOが役立たないというのも情けないね」