われら地域市民
“善意を”届けて38年
社会福祉法人 中部善意銀行
街には、寄付金や労力、品物などを提供したいという市民がおり、一方ではそれを必要とする人がいる。もしその“善意”が、提供したい人から必要な人へスムーズに届かなければ、せっかくの“善意”も何の役にも立たずに葬られてしまう。
1962年10月、「誰にも善意はある、その善意を生かそう」と、一人ひとりのあらゆる善意を集めて社会に寄付する目的で「善意銀行」が東京に初めて誕生した。まだ「ボランティア」という言葉も耳慣れない38年も前のことである。その後、さまざまな形の善意銀行が全国に生まれる中、中部善意銀行は名古屋商工会議所などか発起人となり、どこからも介入されない民間団体として誕生、現在は全国51の善意銀行の模範的な存在となっている。「善意であれば何でもお預かりします。それをいかにうまく社会福祉に結び付けるかが事務局の妙味であり苦労するところです。もちろん喜びでもありますがね。民間団体ですので、なるべく行政の陽の当たらないようなところにも目を向けるようにしています」と常務理事の石木昭夫事務局長は語る。