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芝生のグラウンドがある小学校を見つけた!

 

川淵 実は今年、とっても感激したことがあったんですよ。Jリーグが始まってから芝生のグラウンドがすごく増えてきたことは間違いないけれど、でも学校となると全然だめ。それを本当に偶然、見つけて。

堀田 ほおー。それはどちらで?

川淵 指宿市(鹿児島県)の池田小学校です。Jリーグをつくった当初からぼくの夢は小中学校のグラウンドが全部緑豊かな芝のグラウンドになることだと。どこかにあるはずだから探せって言い続けてきたのに見つからなかったんです。それがたまたま車で走ってたらあるじゃないですか。もう、えっ!って感じで。職員室にどやどやと入って行って先生方もえらい集団が来たなって顔して(笑)。

堀田 それはそうでしょう。チェアマンに突然乗り込まれたら(笑)。

川淵 (笑)。この時は二月で、まだ芝生がそれほど緑じゃなかったので、五月にもう一回来ますと言ってつい先日行って来たんです。市長さんも駆け付けてくれて、校長先生をはじめ八○数名の子供たちと親御さんまで大歓迎してくれて。

堀田 その小学校のグラウンドはずっと芝生なんですか?

川淵 昭和四七年からですね。当時二〇〇名のPTAの方々も一生懸命芝を植えて協力してる。「芝生で走り回っていると子供たちの情緒がすごく豊かになる。土地柄もあるけどキレる子はいませんよ」と校長先生がおっしゃる。学校の誇りだと言うんですね。子供たちも、よそは土なの?ってな感じで(笑)、もううれしくってね。

堀田 三〇年近くも前に決断した学校も、協力した地域の人たちもすばらしいですねえ。

川淵 本当ですよ。Jリーグの発足当初に国会議員の中で小学校に芝生のグラウンドをつくる会というのまでできたけれど(笑)、でも維持費がかかるし、結局は何やかやで無理だと終わっちゃった。

 

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