心と教育 学校の新しいかたち
ボランティアコーディネーターに支えられた体験学習
新潟県長岡市立日越(ひごし)小学校
(取材・文/有馬正史)
「お年寄は、びっくりしたように、『すごいね。』とほめてくれた。なんだか心がうきうきした感じだった。しだいに、お年寄との交流が深まり、楽しくなっていった。これが、最初のことで自分が変わったことだ」
これは、日越小学校6年の児童の「自分が変わった」というタイトルの作文の一部抜粋である。
担当の須藤昌幸先生から、作文にあるような体験学習について伺った。須藤先生は、日越小の児童たちは少し思いやりや奉仕の心が欠けているのではないか、それは校外に出て活動するということがなく、価値ある体験が少ないからではないかと思い、思いやりや奉仕の心を育てるきっかけとなるボランティア体験をさせたいと考えた。そんな矢先、ボランティア活動をしている保護者の方から、長岡医療と福祉の里「ボランティア連合会」のボランティアコーディネーターをしている野田佐千子さんを紹介された。長岡医療と福祉の里は、日本でも有数の医療から福祉までの多数の施設を持つ。そのため、各施設で活動したいボランティアの希望と、受け入れる施設の希望をうまく調整するのが野田さんの仕事であり、ボランティア連合会が一手に引き受けている。
野田さんは、多くの学校のボランティア体験学習のコーディネートもしている。学校によっては、児童・生徒を施設に訪問させる目的がよ<わからない学校もあるという。しかし、日越小学校の須藤先生の6年生の体験学習の進め方には、大変共感したとのこと。児童の意欲を十分に引き出していたからだ。まず、野田さんから学校で児童たちにボランティアの話をしてもらい、児童の興味・関心によって分かれた小グループで、どのような活動をするか話し合い、野田さんとも連絡を取り合って、活動内容を決定し活動に入った。