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年を取っても心豊かに楽しく暮らしたいというのは、誰もが切実に望むこと。

だが、いったん病院や施設に入ってしまうと、そうした生活を送るのはむずかしいのが現実だ。

そんな中、高齢者専門病院で日夜、高齢者の生きがいづくりに汗を流すのが、福祉レクリエーション・ワーカーの金子剛さん。

まるでガキ大将をそのまま大きくしたような明るく、朗らかな25歳の若者が抱く思いとは…。

取材・文/城石眞紀子

 

単調になりがちな生活だからこそ、日常の中に楽しみが必要

 

福祉レクリエーション・ワーカー(以下、レクワーカー)というのは、その名の通り、病院や老人ホームなどで高齢者らの余暇活動を支援する仕事だ。まだ知名度は低いが、金子さんは財団法人日本レクリエーション協会の認定校でもある東京福祉専門学校のレクワーカーコースで学び、資格を取得。学校の現場実習先として出向いた横浜市緑区の「横浜田園都市病院」(病床数三七五床)に、一九九五年、卒業と同時に専門職として就職した。

この病院には現在、金子さんを含めて五名のレクワーカーがいる。入院している高齢者に対して、継続して行うクラブ活動(歌・書道・塗り絵・園芸・手話・百人一首の勉強会など)の指導、毎週メニューの変わるデイルームレク(ゲームの紹介など)や季節の行事(夏祭り・クリスマスなど)の実施を担当するのが彼らの主な仕事だ。

 

 

 

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