「強制しない」「無理をしない」そして「長続きさせたい」というのが両者の共通する考えである。
私たちが訪れた日は、目の不自由な89歳のおじいちゃんをはじめ、近くの団地の方を中心に20人余りの方が来られた。メニューは、ちらし寿司、すまし汁など。和菓子やケーキもあった。給食が終わると小学生が少しずつ集まってきた。その数は10人ほどになった。遊びを教わったり一緒に遊んだり…。子供たちを見ながらお年寄りの顔もほころぶ。昼休みはあっという間に過ぎてしまった。2年生の数名は放課後にまた遊びに来たという。
「なかなか思うようには進まない」と国生さんは言うが、余裕教室での活動で、家に小学生がいない地域の方にも学校が身近になってきたようである。「高齢者との交流は子供たちには絶対に必要だ」「学校だけでは子供たちは育てられない。地域の力を借りながら育てていきたい」行方教頭の言葉は力強い。これから実施される「総合的な学習の時間」や、子供たちが学校の枠を越えて地域の人と自然にふれあえるまちへの発展を期待したい。