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図1-2 要救助海難累積相対頻度分布F(x)=f(x)dx(両対数目盛)

 

表1-2から累積相対頻度分布関数F(x)と距岸X(海里)の両対数グラフを図1-2に示した。

このグラフから、1990年代後半では要救助海難船舶の

90%が距岸16NM以内で、

95%が35NMで、

99%が260NM以内で発生していたことが読みとれる。

1980年代の後半ではそれぞれ

90%が距岸18NM以内で、

95%が63NMで、

99%が1000NM以内であった。

1980年代前半ではさらに累積相対頻度分布関数F(x)の勾配は緩やかになっており、遠距離の海難の割合が大きかったことがわかる。

海難救助にあたっては、距岸数千海里まで対応できる捜索救難用航空機および船舶を整備し、SARTの電池容量も長時間の作動に対応できることが理想的である。しかし上述の通り、要救助海難の99%が距岸260海里(約500km)以内で発生している現状を踏まえると、260海里までに対応できる程度の電池容量が、技術的かつ経済的に妥当であると考えられる。

 

 

 

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