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暴露甲板上の電界強度よりも大きいため、内部からの電磁放射であると考えられる。

図10-10は苫小牧港停泊時の暴露甲板と操舵室の電界強度を示したものである。

 

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図10-10 苫小牧港停泊時の暴露甲板と操舵室の電界強度

 

苫小牧港停泊時に7.39MHzでIEC60945の限度値を超えているが暴露甲板上の電界強度も86dBμV/mであるため、外部からの電磁放射と考えられる(固定、陸上移動局)。

(3) 30MHz〜1000MHz

いずれの航行状態でもIEC60945の限度値を超えている周波数が複数あるがこれはテレビ放送、FM放送等の外部からの電磁放射と考えられる。

(4) 156MHz〜165MHz

IEC60945の限度値を超えている周波数が複数あった。この周波数帯は暴露甲板上の電磁放射が測定システムの暗雑音以下であるため、これらの周波数の電磁放射は操舵室内から出ていると考えられる。

 

・操舵室内の電界強度分布

操舵室内の各位置における電界強度を測定した。周波数は156〜165MHz、偏波面は垂直とし、図10-5に示すように操舵室の右舷側から2mおきに測定アンテナを置き、その位置の電界強度をピーク値検波で測定した。

この周波数帯に使用するバイコニカルアンテナは偏波面を垂直にすることで水平面は指向性がないため、全方向から受信することが出来る。

その結果、IEC60945の限度値である24dBμV/mを超えた周波数が複数あった。

図10-11は主な電磁放射の電界強度分布を表したものである。

この周波数帯はIEC60945の限度値が他の周波数帯よりも低くおさえられているため、計測システムの放射ノイズの影響が無視できないことから事前に測定した計測システムから放射されたノイズの成分を測定データから取り除くことにした。

 

 

 

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