1.3 フェーズIIの研究項目について
1.3.1 メガフロート全体の研究
フェーズIの研究は「超大型浮体式海洋構造物の研究開発」として浮体構造物全般の基礎的な課題について研究を行った。この研究は平成7年4月に3年間の予定で始められ、平成10年3月に当初計画した研究成果を得て無事終了した。フェーズIで行われた個々の研究については、当組合から出している研究成果報告書および各種学会などで既に数多く発表されている。(報告書等については添付の「資料編」参照)この研究では大型浮体モデルの建造過程で、洋上接合、等の建設上の実証実験を行い、完成した浮体モデルを利用して多岐にわたる各種の課題を実証実験により明らかにしたしこのフェーズIの研究により、浮体構造物による人工地盤の基盤技術に関する研究成果を得て、メガフロートの建設技術を実証実験により確立することができた。
これに対し、フェーズIIの研究は一部に一般的なテーマも含んでいるが、主要な部分はメガフロートを空港利用に特化した特定の用途の応用研究であった。それで、メガフロートを空港に利用した場合の空港機能に関する多<の課題についての研究を行うために、嘗てない大規模な実験用のモデルを建設し、実証実験を行った。
一方、メガフロートの早期実現を図るためには空港以外の用途についての研究も必要であることより、空港機能の研究のほかに、実用化のために必要な一般的な研究も自主研究として実施した。
1.3.2 フェーズIIの発足の経緯
フェーズIでは浮体構造物と言う人工地盤としての要素技術を研究するために、超大型の浮体設計技術、洋上施工技術、超長期耐用技術、上載施設機能保証技術、及び環境影響評価技術と言う、作る側の技術だけでなく、ユーザーニーズや社会ニーズを満足させるための研究も含めて広い範囲の研究を行った。この中の上載施設機能保証技術の研究は、浮体構造物上に設置される施設が陸上と同じように機能するための研究を行ったものである。この研究の初期に、浮体構造物の利用が適すると考えられる各種施設の要求機能を調査したところ、空港機能の要求が最も厳しいことが判明した。そこで、フェーズIでも空港機能に関してはある程度の研究を進めてきたが、実証実験用浮体モデルの大きさの制約から、航空機による実証実験の実施までには至らなかった。
一方、運輸省(現国土交通省)では平成9年3月に技術総括審議官を座長とする「メガフロート実用化推進委員会」が設けられ、メガフロートの実現に向けた検討が行われることになった。この委員会の下に省内各局関係課の課長級のメンバーからなる「技術開発分科会」と「法制問題分科会」が設けられ、夫々当面のメガフロートに関する課題についての検討が始められた。平成9年5月に技術開発分科会の下に、更に「空港利用調査検討会」が設けられ、関連技術分野の学識経験者を集めてメガフロートを空港として利用することが技術的に可能かどうか検討された。
その結果、シミュレーション計算ではメガフロートは空港として利用できる可能性があり、更に安全性の確保に万全を期すためには、小型機による実証実験を行う必要があるとされた。この検討会の報告書は平成10年3月に「超大型浮体式海洋構造物の空港利用に関する調査報告書」(運輸省)としてまとめられている。
以上のような状況の中で、メガフロート技術研究組合は上記検討会に協力しながら、空港機能の実証実験を主体にした研究について、その具体的な研究内容や研究体制の検討を行ってきた。これに対して運輸省はもとより、日本財団のご支援も得られることになったこと、組合参加の全会社の合意が得られたことにより、平成10年度から更に3年間の予定でフェーズIIの研究として「メガフロートの空港利用に関する実証的研究」を行うことになった。