日本編
(財)日本人事行政研究所
理事 田代空
I まえがき
この「民間からみた21世紀に期待される公務員像」の調査研究は、日本財団の補助により、2年間にわたって行われた。それは主として、国家公務員に対する民間からの評価と期待について、先進6ヵ国の現地調査に基づく国際比較を行い、昨今先進諸国の行政改革に導入されているNPM(新行政管理)の実情を調べ、その中でも特に人事行政の改革に資することを意図したものであった。そこで1999年の初年度にはイギリス、ドイツ、フランスの西欧3ヵ国を調査し、2年目の2000年にはまずアメリカ、カナダの両国を調べたところ、肝心のわが国については、この際いま一歩踏み込んだ調査の必要を痛感したところであった。さらにカナダの現地調査の際に、1997年から翌98年にかけ、官民協力の[市民第一](Citizens First)と称する公務員に対する大規模調査力が行われたことを知った。これこそわれわれの調査研究と軌を一にするものと考え、改めてわが国においても、類似の調査を行えないかと再考した次第であった。
実は昨年、西欧3ヵ国の現地調査に出掛けるに先立ち、この調査の研究委員会に諮った上で、わが国の著名な有識者の方々に面接し、プレテストとして国際版調査票(案)を使い、その実効性をチェックした。その上でこの調査票を、現地調査の際のガイドとして使うことを決めたのであった。