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アメリカ編

駿河台大学教授

原田三朗

I 調査について

 

アメリカ合衆国は周知のように、連邦制の国家であり、統治機構の特徴はその複合性(デュアル・システム)にある。公務員制度も例外でなく、連邦、州、地方(郡、市町村)がそれぞれ管轄を棲み分けている。

本調査の目的は、国民(市民)の公務員に対する評価を得ることにあり、アメリカ合衆国では、他の調査国との対比上、その対象を連邦公務員に置いたが、市民の評価という点でいえば、連邦公務員の業務に市民生活との接点が少ないということが、問題になる。

一般市民の日常で見れば、連邦公務員あるいはそれに類する公務員のイメージは、FBI捜査官、IRS(内国歳入庁)係官、郵政公社職員、入国管理局員などであり、それも、直接体験というよりは、テレビなどのマスメディアの報道やドラマを通じて得た印象が強いと思われる。そこで、一般市民の目からの公務員評価を調べるという本調査の目的を達成するために、調査対象者についていくつかの設定が必要になる。

 

 

 

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