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これを企業規模別にみると、「5千人以上」では平均も0.7段階と狭く、最大値も3段階と開いていない。かなり一斉昇進的人事が行われていることがうかがえる。

また、産業別にみると、平均では「卸売・小売業、飲食店」が1.4段階、「金融・保険業、不動産業」が1.1段階と全企業の平均を上回り、また、「卸売・小売業、飲食店」及び「農林漁業、鉱業、建設業」では最大値が5段階となっている。

「運輸・通信業」では平均値も0.3段階と狭く、最大値も1段階にしか過ぎず、この年齢層までは年功序列的昇進が行われているものと見て取れる。

2] 35歳層

最上位段階は「役員」(「製造業」の2社で同0.8%)で、最下位段階は「一般職員」(同80.2%)である。

平均の段階格差は1.8段階に広がり、最大値も6段階に広がる。ただし、最小値は0で35歳になっても昇進格差が生じない企業があることを示している。

これを企業規模別にみると、「5千人以上」及び「1・2千人台」が平均1.9段階と平均を上回り、最大値は「千人未満」の6段階となっている。

これを産業別にみると、「卸売・小売業、飲食店」では平均2.3段階、「金融・保険業、不動産業」では平均2.2段階と2倍に広がる。最小値は「電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業」で1段階となり、最大値は「製造業」の6段階となっている。

3] 40歳層

最上位段階は「役員」(「製造業」4社・「農林漁業、鉱業、建設業」、「卸売・小売業、飲食店」各1社で同3.0%)で、最下位段階は「一般職員」(同56.5%)である。

平均の段階格差は2.7段階とさらに広がるが、最大値は6段階である。最小値は0と段階格差が生じていない企業もある。

これを企業規模別にみると、「1・2千人台」で平均値が2.8段階とやや開き、同じく「1・2千人台」、「千人未満」で最大値が6段階となっている。

これを産業別にみると、「卸売・小売業、飲食店」では平均が3.3段階と平均以上に広がり、「電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業」では最大値が4段階と他の業種に比べて狭くなっている。

4] 45歳層

最上位段階は「役員」(同7.6%)で、最下位段階は「一般職員」(同42.7%)である。

最上位段階は「係長級」から「役員」までと6段階に、最下位段階も「一般職員」(同42.7%)から「課長級」(同11.5%)までと4段階にばらついている。

平成10年度調査で、昭和50年の大学卒業者(凡そ45歳)についての昇進実態を調べているので今回調査と比べてみると、平成10年度の「昇進の早いグループ」では、「役員」が3.0%、「部長級」が39.8%、「部次長級」が31.6%、「課長級」が24.5%であり、今回調査では、「役員」が7.6%、「部長級」が42.4%、「部次長級」が26.7%、「課長級」が21.0%であるので、昇進が早いグループでは、全体として、昇進のテンポが多少早まってきているものと認められる。

 

 

 

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