日本財団 図書館


III 昇進制度

*3割の企業が昇進制度を変更・今後も約半数が変更の方向

「年功的昇進管理から能力・業績主義等の昇進管理へ移行するため」が主な理由

*大多数の企業で大卒同期入社の者の間に昇進格差あり・30歳で早くも「部長級」

今後更に格差拡大の方向・評価ポイントは「業績」に重点

*幹部要員の選抜は4分の1強の企業で実施・選抜は「課長段階」から

*半数以上の企業で役職定年制実施・「会社内で専門職」が60%強・55歳前後が中心・「課長級」で45歳も・給料は最大60%減

 

1. 昇進制度の変更の状況

(1) 変更の実績〔第13図参照〕

最近2年間に昇進に関する制度を変更したかどうかについて調査した結果、回答があった企業全体で、「変更した」が34.7%、「変更しなかった」が65.3%となっており、この2年間で3割を超える企業が昇進制度を変更した。

これを前回(平成10年度)の調査結果と比べると、「変更した」は28.3%であったので、かなり多くの企業で昇進制度の変更が行われるようになってきたことがうかがえるものの、前回調査で「今後変更する見込みあり」とした企業が44.2%であったことを考えると、現実にはそのテンポは必ずしも速いものとはいえないようである。

(2) 今後の変更の見込み〔第13図参照〕

昇進に関する制度を今後変更する見込みがあるかどうかについて調査した結果、回答があった企業全体で「見込みあり」とする企業の割合が45.8%で半数近くに及び(前回44.2%)、「見込みがない」は21.8%に過ぎない。昇進制度変更の傾向は引き続き微増傾向を示し、関心は高いものと考えられる。

 

第13図 この2年間における昇進制度の変更の有無

012-1.gif

 

(3) 昇進制度変更の理由〔第14図参照

昇進制度を変更し、又は変更しようとする理由を複数回答で尋ねたところ、「年功的昇進管理から能力・業績主義等の昇進管理へ移行するため」が94.7%(前回94.1%)で最も高く、以下、「従業員の高年齢化、高学歴化で年功的処遇は限界であるため」が66.3%(同65.4%)、「管理者層をフラット化し、意思決定を迅速化するため」が34.2%(同35.1%)、「業務・組織の見直しに伴うもの」が28.9%(同14.6%)などと続いている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION