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次に「中高年者層」についてみると、「自分の処遇に不満がある」が52.1%と5割を超え、「独立して起業する」が31.3%、「会社の退職勧奨に応じた」が24.5%でそれぞれの立場や考えに拠る理由が上位3つを占めている。「ヘッドハントされた」は14.0%で若年者層の24.1%より少ない。特に大きな要因では「退職勧奨に応じた」が31.1%とトップで、次いで「処遇に不満」が28.3%で他の要因を引き離している。

 

第4図 退職理由(複数回答)

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4. 近年における常用雇用者の採用状況

 

先行き不透明な経済情勢から企業は常用雇用者の採用には慎重な姿勢で臨んでおり、新規学卒者の採用も抑制気味である。一方、即戦力が期待される中途採用を重視する企業が多くなっていることも事実である。本年は企業のここ数年間における常用雇用者の採用の状況を調べた。

(1) 常用雇用者の採用方法〔第5図参照〕

一番多い回答は「新規学卒者の採用が中心だが中途採用もする」の59.0%で、企業の半数以上が職種を考えながら新規学卒と中途採用の双方を使い分けているものと思われる。これに対し、従来の主流であった「新規学卒を対象として一括採用のみ」の方法を採る企業は36.9%と半数を大きく下回り、「新規学卒者の採用よりも、むしろ中途採用に重点をおいている」は3.1%に過ぎなかった。

 

第5図 常用雇用者の採用方法

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(2) 中途採用を行う理由〔第6図参照

中途採用を行う理由についていくつかの答えを予め用意し、複数回答で尋ねた結果は次のとおりであった。

「新規学卒者の社内育成システムから即戦力人材の採用システムに変更」と「IT技術など最新の技術を有する人材が不足」がともに42.8%の回答であり、次いで「企業のグローバル化など経営方針の変更に対応できる人材が必要」とするものが37.8%で他の理由は10%に満たなかった。

 

 

 

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