新たな千年紀を迎え、本年も大勢の市民の皆様の心意気を結集し、高岡野外音楽劇『越中万葉夢幻譚』を盛大に開催できますことを心よりうれしく思います。また、ご観劇のために県内外から多数の方々にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
さて、今からちょうど百年前、本市は当時の大半の家屋を焼失するという未曾有の大惨事「高岡大火」に見舞われたにもかかわらず、先人の方々の不撓不屈の気概と情熱により、見事に復興を成し遂げました。このように郷土を深く愛する心は今に受け継がれ、この野外音楽劇をはじめとする本市の数多くの事業や市民の皆様の活発なご活動となって実を結んでおります。
本公演は、千人を超える市民の皆様が参加し、共に素晴らしい舞台を創り上げ、感動を分かち合おうとするものです。これまで公演に携わってこられた皆様の熱い思いを受け継ぎ、たくさんの人たちとの出会いや創作の過程を通して育まれた万葉のふるさとへの愛着心は、文化都市「高岡」のさらなる飛躍に大きな役割を果たすものと確信いたしております。
第12回目を迎える今回の公演では、新たに『太平記』(巻の11)に登場する越中守護名越一族の悲劇をとり上げ、鎌倉時代末期の二塚を舞台にした合戦シーンを展開いたします。
市民の皆様が一丸となって練習を重ねられた迫真の演技と最先端の技術を駆使したこの大スペクタクル劇は、ご来場の皆様の心に必ずや深い感銘を与えてくれるものと思っております。
最後に、本公演の開催にあたりご尽力いただきました総監督の藤木嘉一先生をはじめとするキャストやスタッフの皆様、そして「高岡野外音楽劇を育てる会」の皆様、並びにご支援を賜りました日本財団様をはじめ、関係各位に深く感謝を申し上げ、私の挨拶といたします。
西暦2000年という記念すべき年の夏の夜、古城公園で第12回高岡野外音楽劇『越中万葉夢幻譚』が盛大に開催されますことは、誠に喜ばしいことと存じます。
この野外音楽劇は、奈良時代に越中国守として5年間高岡の地に在任した万葉歌人・大伴家持が、白昼夢の中で越中1250余年の歴史をたどってゆくことで富や権力を漁ることの虚しさを悟り、万葉集の編纂を志すというストーリーになっており、劇の随所に散りばめられた万葉歌等とあわせて、「万葉のふるさと」高岡にふさわしい情緒を醸しだしていると思います。
また、本日ご覧いただくような大規模な野外音楽劇は、出演者はもちろんのこと、舞台裏を支える大勢のスタッフが心を一つにし、役割を分担して協力しあうことによって初めて上演できるものです。本日の上演に向け、スタッフの打合せや出演者の練習、美術製作など、本事業に携わる方々には様々なご苦労があったと伺ってすが、それらの過程で生まれた新しい発見や出会い、共に一つの舞台として成し遂げる喜びをみんなで分かち合う感動こそが、来たるべき21世紀に向け新しい高岡の市民文化を創り上げていく原動力であると確信いたします。
本日、出演者の方々におかれましては、練習や日々の生活を通して蓄えられた思いを、本公演で遺憾なく発揮していただきたいと存じます。また、ご来場の皆様におかれましては、出演者とスタッフが一体となって創り上げてきた舞台の成果を心ゆくまでお楽しみいただきたいと存じます。
終わりに、本公演の実施に向け、多くの関係各位から寄せられたご理解・ご協力に対し、深く感謝申し上げますとともに、当会並びに本野外片楽劇に一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私のご挨拶といたします。