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関係行政機関(浜田市、島根県)に対して、唐鐘川の抜本的改善に関する要請もしています。

石見海浜公園アクアスが最近できましたが、行政機関や浜田市長さんに対して、「海浜公園のど真ん中にああいう汚い川(唐鐘川)があるのは恥ずかしいですよ」、「観光地にふさわしくないですよ」という趣旨の陳情をしております。

同時に、島根県や浜田市に対しても、唐鐘川の抜本的な改善を図ってほしい、という要請もしているところです。

その影響かどうかわかりませんが、下水道が東部地域から整備されることになりました。もちろん「東部地域にぜひ下水道の整備を始めてください。そうすれば川と海がきれいになります」という陳情もしました。その結果かどうかは知りませんが、東部から下水道が整備される準備が今進んでいます。

最後に一番大きなテーマです。

先程もご紹介しました、平成11年に「唐鐘川の上流部にホタルが飛ぶ」という記事が新聞に出た頃、「鵜飼さん、ホタルがいっぱい飛んでいるよ。知っているかな?」と連絡が来まして、「飛んでいるのは知っているが、どんなに?」と行ってみたところ、本当にたくさんのホタルが乱舞しておりました。

そこで、連絡いただいた住民の皆さんに「上流部の草は刈らないでおいた方がいい」という意見をいただき、草刈りを1ヶ月ほどやめました。

そして、町内の皆さんに文書回覧をし、さらに「ホタルが飛んでいますよ。見てください」という町内放送もしました。

平成12年も大量のホタルが発生し乱舞していたので、清掃活動が実り、上流部が清流になったのだと思われます。「環境浄化のシンボルはやはりホタル」という形を変えた姿で評価をしなければいけないかな、結果が出たのかな、と自己評価をしているところです。

新聞記事のタイトル「環境浄化のあかし蛍飛び交う清流に」のように、今後もホタルがずっと絶え間なく飛び、ごみは絶えずたまらないように、努力をしていきたいと思います。

それから、関係省庁等である、農林水産省、外務省、漁業団体等の皆さんにお願いがあります。

農林水産省には、漁業団体に対し、海上に網やごみを捨てないよう指導していただきたい。

外務省には、近隣諸国に対し、海上や海岸にごみを捨てないように忠告していただきたい。

漁業団体には、漁業者の皆さんに対し、海上に網やごみを捨てないように、磯釣りの皆さんに対し、海岸にいろいろなごみを捨てないように、指導していただきたいと思っております。

最後に、私どもには実は反省しなければならないことがひとつあります。

今までは「唐鐘川をきれいにしよう」、「きれいな水を海に流そう」と、これはこれでよかったと思います。ところが、「雨が降って、沖へいっぺんにごみを流してくれればいいな」と思っていたような気がします。そうなると、海が汚れる訳です。

川だけをきれいにして、海が汚れたのでは何にもならない。したがって、今後の運動については、川と海の両者を念頭に置きながら進めて行きたいと思います。

今まで、廃食用油を利用した石けんづくりもやってみました。EMぼかしづくりもやってみました。今日は省略しますが、いずれにしてもひとりひとりがその気持ちにならないと、きれいにならないと思います。

「きれいにするのは他人よ。私の場合は別よ」というようなことを考えていたのでは海洋汚染防止にならないと思います。

 

 

 

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