このように「Let's 里再来」事業を、3年に渡って自主計画・実行してきました。
この「里再来(りさいくる)」という、里が再び来るという字のふりがなを片仮名ではなくて平仮名にすることにこだわっていると申しましたのは、片仮名の「リサイクル」では、モノを循環させるだけのリサイクルをイメージさせるのではないか、と考えたからです。
けれども、この事業には、ちょっと昔の、心と心の通い合った地域社会があった、その頃の人情や人間関係から、これから私たちがしていかなければならないことをもう一度学び、そこからひとりひとりが力をつけてまちを動かしていこう、新しいまちにして行こう、という事業理念がありました。それで「里再来」という造語をつくりました。
この事業は、マスコミに私たちの青年会議所の事業でもかつてない取り上げ方をしていただきました。事前の告知から事業後の報告まで、本当にうれしい限りの取り上げ方をしていただきました。
(新聞記事×9)
今回のシンポジウムのタイトルにもありますが、こういった豊かな自然、私たちのまち、そういったものを、私たち親の世代の責任として、確実に子どもたちに伝えていきたい、という思いを最終的には残しながら、まちづくりを続けていきたいと思っております。
先般9月30日、国際ビーチクリーンアップデーに、益田で海岸清掃をしました。先程のクリーンアップ全国事務局のお声がけもあり、もう3年ぐらい続けております。
見た目には美しい三里ケ浜海岸。夏場には山陽筋からのお客さん、海水浴客もたくさんいらっしゃる美しい海岸です。観音岩は益田十景にも入りました。
ところが、足元に目を向けますと、海岸には自然から出てきたごみの他に、人為的なもの、釣りで出てきたごみ、明らかに日本のものではなく、海の向こうから流れてきたものというようなごみもありました。ペットボトルは国内国外問わずたくさんありました。それから、発泡スチロールの破片、こういったものは本当に数えきれないほどありました。
先般もこの島根県の海岸に灯油缶が多数漂着して話題にもなりました。
驚くべきことに、産業廃棄物なのか何か理解しかねますが、注射針も捨てられています。今回の9月のクリーンアップは冬場を越しておりませんでしたので、比較的軽量のものでした。昨年の6月と9月、今年3月と、3回続けて私も参加しましたが、そのときには実際に針の後ろに軸がついている注射器までありました。
それから驚いたのは、私の背丈ぐらいある冷蔵庫が流れてきておりまして、その文字を見ますと日本のものではない。これは何も対象の国を非難しているわけではなくて、海流によっていろいろなところから流れてくる。私たちが心なく捨ててしまったごみも、どこかの国に迷惑かけているのではないか、どこかの地域に迷惑かけているのではないか、と。
だから、その流れてきた元を非難するよりも、まず、私たち自身の行動を改めて、意識を変えていかないと、とても地球規模の環境保全促進はできないだろう、と私たちは常に考えております。そこで、ここであえてこういう資料を出させていただきました。
この現物の置かれた状況と、捨ててあったごみを本日会場に展示しましたので、もしよろしければお帰りの際にでも見ていただいて、また新たな意識を持っていただければと思っております。