貝が小さいから価格が安い。後潟の人と同じ貝を売るとなると、3か月も4か月も遅れます。後潟の人は4月、5月に倍ぐらい大きな貝を売ってお金にしてしまいます。ですから、大きな貝を作る人は少なくなってくるわけです。
これは私ひとりの考えですが、kgあたり何円かの補助金などを出していただかなければ、成貝を作る人はだんだん少なくなっていくと思います。成貝を作る人がだんだん少なくなって、お客様が小さい貝の味を覚えてしまったので、小さい貝の需要が増えてしまっています。このままでいくと、大きい貝を作る人はまず増えることはないと思っています。
(橋本) 本日は大変ありがとうございました。
最後にぜひお話ししておきたいのですが、青森には縄文時代の三内丸山遺跡があります。今、観光スポットとしても脚光を浴びていますが、その遺跡から、マダイやヒラメなどの魚の骨、貝類等がたくさん出ています。それもこれも、陸域の環境が見事だった、原生林から流れる栄養たっぷりの水が陸奥湾を育てていたということです。この環境を全部取り戻すことはできないでしょうが、少なくともまだ汚染が進んでいないわけですから、三内丸山に匹敵はできませんが、このようにきれいな水、陸域・海域の環境を今後も守っていきたいと思います。
