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3-3. 硬化促進剤T-10:ポリウレタン塗料は低温(15℃以下)になると反応が鈍くなり8時間以内でマスキング作業に入ることは困難になってきます。

下表の添加量でマスキングタイムが13〜16時間で可能になります。

 

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1] 添加量はA液に対する容量%です。(添加量1.0%は、A液4リットルに対して40cc)

2] 硬化促進剤T-10はA・B液・シンナーを混合した後に添加して、充分に攪拌混合して下さい。B液には絶対に入れないで下さい。また、硬化促進剤添加前のシンナー調整は、硬化促進剤が入ることを予め計算して少なめに入れてから粘度調整をして下さい。

3] 15℃以上で硬化促進剤T-10を1.0%(vol)添加した場合、マスキングタイムは20〜25℃で4〜5時間。15〜20℃で7〜8時間になります。

4] 塗膜が硬化する時の雰囲気温度が14〜15℃の状態で4〜5時間保持される場合は、硬化促進剤T-10の添加は必要ありません。

5] 1回目と2回日の塗装時の添加量は、必ず同一にして下さい。

6] 硬化促進剤T-10の添加量が2.0%(vol)を超えると、光沢の減少や塗膜の硬度が進み過ぎる欠陥を生じますので、上表の添加量を必ず守って下さい。

7] 硬化促進剤T-10は5℃以上の環境で保管して下さい。低温での保管で結晶が析出する場合があります。この時は温浴槽で温め結晶を再溶解させてから使用して下さい。

3-4. リターダシンナー:夏場の高温多湿(28℃×80%RH以上)の環境で塗装する場合は「スカイハロートップコート#100リターダシンナー」を使用して下さい。

使用方法は、標準シンナーと同様です。35℃以上の高温ならば全量をリターダシンナーに置き換えて塗装できますが、28〜35℃の範囲の場合は塗装作業性をみて、標準シンナーと混合して使用できます。リターダシンナーは初期の乾燥が遅くなり、タレ易くなりますので塗装には注意して下さい。

3-5. 硬化剤:硬化剤(B液)は、Type1(ツヤ有)、Type2(半ツヤ)は共通ですので共用できますが、Type3(ツヤ消)組成が異なりますので、使用の際は注意して下さい。

硬化剤(B液)を少量使用する場合は、開缶後必要量を計量したら速やかにキャップをして密閉して下さい。B液は空気中の湿気と反応しやすいため、なるべく空気接触を避けて下さい。一度開缶したものはなるべく早く使い切って下さい。B液の溶液が白濁したり、沈殿物が生じたものは使用できませんので廃却して下さい。

3-6. その他:1] 冬場の低温時の塗装環境は、雰囲気温度だけではなく、被塗物(機体)の温度にも留意して下さい。

2] 多人数で、広い面積を塗装する場合、塗装作業者間の時間的なズレや塗装のラップは15分以内になるようにして下さい。それ以上の時間になると、塗装面のナジミが悪くなり、外観不良になる場合がありますので注意して下さい。

 

IV. 剥離性について

ペイントリムーバーを用いて剥離する場合、化成皮膜処理を施したうえの塗装系塗膜は、ウオッシュプライマーを塗装した塗装系塗膜に比べて剥離性が悪くなる傾向が出ます。また、剥離性は気温に左右されやすく低温時には夏場の時よりかなり剥離性が遅れますので注意して下さい。

 

 

 

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