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しかし、それ以降の世代の人々はすべてにおいて参加率が低く、そのままで推移しています。パットナムの分析の中に注目に値する項目がもう一つあり、世代間でオーバーラップしているのが、テレビの視聴時間です。一人当たりのテレビ視聴時間は、ほとんどすべての社会活動への参加率が減った全期間を通して増えています。また世代が下がるにつれて視聴時間が長くなっているのも明らかです。しかしこれらの相関関係は一様ではなく、非常に細分化されています。テレビ視聴時間が長い人々は、すべての世代において政治、市民生活、カジュアル、宗教などの活動に参加する率が低いのですが、もっと詳しく見てみると、テレビの視聴がすべての活動不参加につながるというわけではないことがわかります。ローカルニュースを見ている人々(全国ニュースは現在では高齢者の視聴者が多い)に比べ、教育番組を見ている人々は社会参加の低下と相関関係にありません。ちなみに新聞を読む人々と社会参加率の高さは相関関係にあります。社会参加と反比例の関係にあるテレビ番組で最も典型的なのはエンターテインメントであり、テレビを見るためのテレビ番組、つまり何か面白いものを探してチャンネルを次々と変えるテレビの見方だと言えます。

 

 

 

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