ライバルは自分自身であり、自分との戦いなのだ。謙虚な気持ちを持って努力し、勝っても周囲のおかげで女神のほほえみをもらったという気持ちがあると、人柄に奥ゆかしさを感じ、嫉妬を生まない。
受験にも運がある。しかし努力し自分の実力を客観的に判断できるようになると、あとは天命を待つ心となる。なかなかそこまではできないのだが。
私の座右の銘は、「ふまれても根強く忍べ福寿草、やがて花咲く春も来たらむ」である。またウルマンの詩から、
私はいばらのない道は求めない
悲しみが消えよとも求めない
日のあたる毎日も求めない
永遠の昼のみでは大地の緑はしぼみ衰える。
涙の水がなければ歳月を通じて希望のつぼみを閉じ
る。人生のどのような所でも
気をつけて耕せば豊かな収穫をもたらす
ものが手のとどく範囲にたくさんある。
またヒルティは幸福論の中で、
「不幸に思う時は、ささやかな野辺の草花などに目をやりなさい」と言っている。きっと幸せな気持ちをよびさましてくれる。
彼女の笑顔は日本人に大きな応援歌となったと思う。受験生、団塊の世代などもがき苦しんで生きている人達を勇気づけてくれた。そよ風のような、さわやかな笑顔であった。医療にたずさわる者としても、教えられるできごとであった。医師も患者さんのよきコーチになりたいものだ。