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近畿で初の"生涯学習都市"を宣言

 

―本日は、墓前祭と「梅岩フォーラム」にひきつづき、地元タウン誌の立場で梅岩先生を全国発信しようということから、この座談会をもたせていただきました。それぞれのお立場から、先生のご事跡でお感じになることをわかりやすくご紹介ください。まず、顕彰会会長の谷口さんからどうぞお願いします。

谷口 本日は、梅岩先生が亡くなってから二百五十五年目にあたります。本日ここにお集まりの皆さんは、それぞれ何らかの形で梅岩先生に関心を持ち、あるいは熱意をもって、「かつて、石田梅岩先生という偉い人がいたのだ」と、伝承されようとしています。私ども顕彰会は、その受け皿となり、発信基地の役目をさせていただいているのだと思います。

ところで、この二七〇年間、世の中は良くなったかというと、そうではないと私は認識しています。いくら科学が発達しても、人間が機械を操作するのならよいのですが、現実にはその反対で、機械に操作される人間になっています。そこで"心"が忘れられているというか、心が強調されない世の中になってしまっていると思います。

梅岩先生が説かれた「人の人たる道」という言葉は、とてもわかりやすい表現です。この教えは、梅岩先生が単に学問をして理論的にみちびきだされたものではなく、自らが丁稚奉公の苦労をし、その体験を通してハッキリと自覚し、取得されたものです。それだけに、人がこの世に生を受けて死ぬまで、一人ひとりが心の中にしっかりと持っていなければならないことだと思います。この心が今、忘れ去られています。

 

 

 

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