第2番目には、日本人がまず自分の頭で考えることです。日本の官僚の悪いところは、ともかく前例主義という点です。その方面の知識はあるのですが、でも、自分の頭で何か考えて、クリエーティブな方法、こういうことをしたらいいんだと提案するケースが少ないと思います。自分の頭で新しい方法を考え、しかも、それが合理的で建設的なものなら、その提案をアメリカだって無視はできないはずです。それはアメリカは日本がそのような形で主導権をとることは嫌がるでしょう。でも、提案が合理性を持つなら、彼らだってそれを全く無視はできません。それを今まで日本は出してきたかというと、ほとんどやってこなかったですね。確かにアジア基金構想などは私はいいと思います。そうするとアメリカはつぶしに来るでしょう。でも、合理的な提案なら、しつこく言えばいいと思います。
山田寛(議長) じゃあ、すみません、時間がほんとにないものですから。
川浦美義 すみません。この次から、もう少し会場の意見を聞く時間を増やしてもらいたいと思います。皆さん、知識の高い方が集まっているものですから、壇上の方々の意見は大体新聞とかそういうところでよく見ておりますから、現実の目先のことだけではなくて、21世紀はもっと大きな問題について議論する必要があると思いますので、ぜひお願いします。
山田寛(議長) わかりました。ご意見として伺っておきます。
それでは、伊藤理事長。
伊藤憲一 本日は、朝10時からまる6時間という長時間にわたりまして、私どもの円卓報告討論会「海洋国家日本の構想」にご参加くださいまして、ありがとうございました。これをもちまして、「自由討論」で個別テーマを追うという形では3カ年にわたりましたプログラムを一応終わるわけでございますが、来年度、具体的には2002年の1月か2月あたりを考えていますが、これまで3年間の全テーマを最終的に総括するシンポジウムを予定いたしております。その節はまたご案内申し上げますので、ぜひご参加いただきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。
〔文責事務局〕
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