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現在、両政令市へ60分の目標については達成率82%であり、未達成は17市町村ある。

今後は、東九州自動車道、九州新幹線などの事業が進展することにより、時間交通圏目標は大幅に達成するものと考えられる。

 

3] 交通渋滞対策

県内においては、幹線道路を中心に交通混雑が生じており、特に福岡、北九州、久留米の各市内及び周辺部で著しいものがある。

今後、都市内の交通混雑や自動車排気ガスによる大気汚染を解消するために、バイパス整備等の道路容量の拡大を進める一方で、自家用車などの都市内への乗り入れをできるだけ少なくし、公共交通機関の利用を促進するなど都市部における交通需要をコントロールする「交通需要マネジメント(TDM)」施策の検討を行っている。

 

4] 路線バス・タクシーの概況

県内における乗合バスの輸送人員は、モータリゼーションの進展や地方部における過疎化の進行により、昭和39年の564739千人をピークに減少の一途となっており、平成10年度には291664千人と約半分に減少している。

しかしながら、乗合バスは、高齢者や学生等の移動制約者の通院・通学など日常生活に欠くことのできない交通手段である。

このため県では、バス事業者に対して一層の経営努力を求めるとともに昭和47年度から国の「地方バス路線維持費補助制度」を活用しながら運行費等の補助金を交付することにより、生活路線を維持し、地域住民の交通手段の確保に努めてきたところである。また、平成13年度には乗合バス事業における需給調整規制の廃止が行われることとされており、これに対応するため地域の実情に応じた生活交通のあり方について検討を進めているところである。

また、長距離バスについては、長崎、大分、宮崎等九州各地と福岡市、北九州市を結ぶ高速バスが運行され、高速道路と都市高速道路の直轄を機に、さらに利用者が増加している。

 

乗合バス運輸数量の推移(県内事業者)

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タクシーについては、バス・鉄道等の大量輸送機関の補完的役割を果たすとともに、ドア・ツー・ドアでの機動的・個別的公共交通機関として県民生活に定着している。

長引く景気の低迷と走行環境の悪化等経営環境は依然として厳しいものがあるものの、介護サービス事業や救援事業等タクシーの機動性を生かした新たな事業が生まれている。

 

タクシー輸送実績と事業者数の推移

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(5) 鉄道について

 

1] 概況

県内における鉄道網は、JR西日本においては昭和50年に開業した山陽新幹線が大阪から博多までを2時間余りで結ぶとともに車輛基地までの回送線を利用した在来線の博多南線を営業している。

 

 

 

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