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このことは同時に日本経済の再生のための最重要課題の一つと言っていいと思います。また、地球環境問題における物流システムの効率化・クリーン化は、国際的かつ喫緊かつ現実的な課題となっており、物流システムにおけるCO2排出量等の抑制、エネルギー効率の向上等に積極的に取り組む必要があります。

こうした状況の下で、平成9年4月に閣議決定された「総合物流施策大綱」を踏まえ、九州地方総合物流施策推進会議において関係行政機関と連携していくとともに、さらに運輸省としての物流施策を強力に推進するため、平成11年8月に改定された「運輸省物流施策アクション・プラン」に基づき、高度化・多様化する利用者ニーズに対応しつつ、環境に配慮した最適な物流システムの構築等について総合的な施策を推進していくこととしております。

具体的には、国際物流については、コンテナ船の大型化に対応した国際物流拠点としての港湾の物流機能の充実強化を図るため、中枢港湾としての博多港及び北九州港、並びに中核港湾としての志布志港における大水深の国際海上コンテナターミナルの整備が円滑に推進されるように努めます。また、港湾物流のスピードアップ・効率化を図るために、港湾EDI、Sea-NACCS等による輸出入及び港湾諸手続のペーパーレス化及びワンストップサービスの実現、輸入拠点づくりのための輸入促進地域等の整備を支援していきます。

地域間物流については、道路交通の混雑緩和やCO2削減、更には中長期的にみた労働人口の高齢化にも対応し、安定的な輸送を確保しつつ、環境への負荷がより小さな物流の実現に向け、「九州モーダルシフト推進協議会」の審議を踏まえて、国内海運や鉄道の活用によるモーダルシフトが進展するように引き続き検討していきます。

とりわけ、国内海運、トラック輸送等の連携による効率的な複合一貫輸送体系を構築し、モーダルシフトを推進するため、RORO船、長距離フェリー等のモーダルシフト船の建造促進や規制緩和等ソフト面の施策を推進するとともに、モーダルシフト船の輸送力増強に対応した十分な荷役ヤード等を有する内貿ターミナルの拠点的整備を推進するために支援していきます。

また、モーダルシフトの一環として、スーパーエコシップ、画期的な超高速船テクノスーパーライナーの実用化への推進についても支援していきます。

さらに、今後、九州地域において重点的に整備すべき物流拠点の整備が円滑に進むよう、物流拠点の機能類型別の整備目標、配置計画等に関する「九州圏における物流拠点の整備ビジョン」(平成12年3月に策定)に基づき、高度化物流機能の集積を図るため、鳥栖地区をはじめとした流通業務団地等の整備を支援して参ります。

また、地方自治体による物流についての総合的かつ計画的な取り組みである地域物流マネジメントについて支援して参ります。

加えて、平成13年度早々にはIT革命に伴う情報化の進展、地球規模の環境問題の深刻化、循環型経済社会の構築等の観点を踏まえて、新たな「総合物流施策大綱」が策定される予定であることから、これらを踏まえ九州・山口地域における物流の一層の効率化・高度化を図って参ります。

倉庫業につきましては、物流サービスの結節点にあって、効率的物流の確保のために大変大きな役割を果たしております。物流の構造改革、或いは物流サービスに対するニーズの多様化、高度化といった社会的要請の高まりのなかで、倉庫業を中核とする物流拠点整備の方向を明らかにすることが求められております。

九州運輸局としましては、前述の「九州圏における物流拠点の整備ビジョン」を指針に物流拠点整備が進められるよう、引き続き指導・助言や税制・財政投融資等の支援措置を講じて参りたいと考えております。

なお、倉庫業の規制緩和については、昨年3月に、「規制緩和3カ年計画の再改定」が閣議決定され、政府の規制を最小限にする方向で検討し、平成12年度中に結論を得るとの方針が出されました。これを受け、行政としましては、広く外部の意見を聴取するため「倉庫業の規制のあり方に関する懇談会」を昨年10月に立ち上げ、現在、関係者のご意見をお聞きしながら検討を進めているところでございます。皆様方のご理解とご支援を賜りますようお願い致します。

 

 

 

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