九州運輸局だより
改正海上運送法のポイント
九州運輸局運航部輸送課
海上運送法が改正されました。
海上運送法が平成11年6月改正され、平成12年10月1日から施行されました。
新しい法律では、一般旅客定期航路事業について、需給調整規制を廃止して参入が免許制から許可制へ改められたほか、運賃、運航ダイヤ、事業の休廃止等についても規制が緩和されるとともに、人の運送をする全ての船舶運航事業に安全規制及び利用者保護規制が適用されました。
また、旅客船(13人以上の旅客定員を有する船舶)による乗合旅客運送は原則として定期航路事業で行われるものとし、旅客不定期航路事業による乗合旅客運送は、通船及び遊覧航路以外の航路においては、認められません。
次のような事業者に安全規制及び利用者保護規制が新たに適用されます。
1 非旅客船(旅客定員12人以下の船舶)により人の運送をする者
2 旅客船により人の運送をする者のうち、
(1) 航路を定めずに運航する者
(2) 一定の航路で特定の者の需要に応じ、特定の範囲の人の運送を行う者
注1 総トン数5トン未満の船舶(専ら湖沼・河川において営む総トン数20トン未満の船舶も同じ。)により人の運送をする者であって、
1] 1又は2に該当する者
2] 一定の航路で旅客船により年間30日以下の運航をする者
については、これまで海上運送法の適用を除外されていましたが、平成12年10月から、事業開始の30日前までの届出が必要となるとともに、安全・利用者保護規制が適用されます。(既に事業を行っている場合には、2ヶ月間そのまま事業を行うことができます。)
注2 ろかい船のみをもって営む船舶運航事業については、引き続き海上運送事業の適用除外となっています。
注3 「遊漁船」であっても、遊漁行為又は磯(瀬)渡し行為以外の人の運送をする場合には、海上運送法の手続が必要となります。
遊漁船:船舶により乗客を漁場(海面及び農林水産大臣が定める内水面に属するものに限る。)に案内し、釣りその他の農林水産省令で定める方法により魚類その他の水産動植物を採捕させる事業の用に供する船舶(磯(瀬)渡し船を含む)。
これらの事業者に適用される手続、命令等は次のとおりです。
1 事業開始・廃止の届出(§19の5、§202])
・事業開始の日の30日前までに地方運輸局長等への届出が必要です。事業を廃止したときは、30日以内に届出が必要です。
2 安全規制(運航管理規程の届出等、輸送の安全確保命令)
(1) 運航管理規程の届出等(§10の2、§19の6の3、§20の2)
・運航管理規程は、船舶運航事業者が船舶の運航の管理の組織並びに運航の実施に関する事項及び輸送の安全の確保のため同事業者及び従業員が遵守すべき事項を定めたものであり、地方運輸局長等への届出が必要です。なお、地方運輸局等には同規程のひな形が用意されています。
・その他法に定める手続・命令として、次に掲げるものがあります。
運航管理者の選任・解任の届出
運航管理規程の変更命令
運航管理者の解任命令
(2) 輸送の安全確保命令(§19 2]、§19の6の3、§20の2)
・地方運輸局長等は、人の運送をする船舶運航事業者に対し、輸送の安全を確保するため必要な措置(輸送施設の改善等)を命ずることができます。