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・同じくアンケートによると、奄美空港から島内の目的地まで行く際に不満に感じるものとして、「バスの本数が少ない」ことや「道路が狭い」ことがあげられている。飛行機を利用して良かった点は、「所要時間がちょうど良い」や「発着時間がよい」などであり、反対に問題点、不満点は「運賃が高い」ことに集中している。

 

(3) 「古仁屋−加計呂麻」の海上交通

・古仁屋と加計呂麻島とを結ぶ航路には、町営定期船「フェリーかけろま」(194トン、定員160名)が、瀬相との間に1日4往復、生間との間に1日3往復の計7往復就航している。

また、古仁屋と請島、与路島を結ぶ航路には、町営定期船「せとなみ」(52トン、定員60名)が古仁屋〜請阿室(請島)〜池地(請島)〜与路(与路島)間に1日1往復就航しているが、古仁屋への日帰りが可能な便は請島・与路島発着の便が週4便しか運航されていない。残り週3便は古仁屋発着または古仁屋発与路着の便となっている。

・このほか、小型定期船による民営の航路や海上タクシーが運航されている。

・古仁屋漁港は、漁港としての機能だけでなく、鹿児島・喜界・知名航路の定期船をはじめ町営定期船や民営定期船、海上タクシーの発着港として利用されている。なお、平成16年度を目途に、本土からの定期船、各島への定期船が集約されるほか、各種接岸施設や待合施設等の整備が予定されている。

・「かけろま」・「せとなみ」利用客のアンケートによると、利用頻度は週1〜3回が最も多い。

・利用者の航路に対する不満点、問題点については、「運航本数の少なさ」が最も多く、特に「せとなみ」の利用者にこの傾向が強い。ついで「港の駐車場設備が少ない」があげられている。また、「せとなみ」利用者では「所要時間の長さ」についての不満も高い。また、下船後の島内交通の不満点は、「かけろま」を観光・レジャー目的で利用している者に「バスの本数の少なさ」やバス、タクシー、レンタカーなどの「足」の不足があげられている。

 

5 奄美大島の交通体系における課題

(1) 大島本島における交通体系の課題

1] 定期旅客航路は、離島住民の生活及び産業活動において不可欠な交通手段であることから、今後とも航路の維持改善に努める必要がある。また、寄港港湾については、施設等の整備を引き続き計画的に推進し、港湾機能の向上を図るとともに、その他の港湾等についても各地域の実情に応じた整備を進める必要がある。

2] 道路はかなり改善されているが今後とも国道バイパスの整備や急カーブ、急勾配等のあい路区間の整備等を図る必要がある。

3] バス路線については、需要の動向に応じて、空港・港湾等の交通拠点や観光スポットとの結節など輸送サービスの改善・充実を図る必要がある。

 

(2) 加計呂麻地域における交通体系の課題

1] 道路については、これまでも整備が図られているが、屈曲、狭小な路線が多く、バス、車の離合等が円滑になるようにするとともに、崩土等の災害発生にも対応した道路拡幅等の整備を計画的に推進する必要がある。

2] バス路線については、加計呂麻で運行されている路線バス等の適切な維持・充実に努めるほか、本島側のバス路線と町営定期船との接続について改善が望まれる。

3] 海上交通については、バスの接続など難しい面もあるが、「フェリーかけろま」におけるダイヤの改善等による利便性の向上、「せとなみ」の大型化・高速化等による日帰り可能な航路体系の構築のほか、船舶の利用実態に応じた接岸施設や待合所等の施設の改善などを図る必要がある。

 

 

 

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