日本財団 図書館


請願書の要旨は、対外貿易の再開によって世界各国との「物」の交流が盛んになり、これに伴って「人」の往来に拍車がかかるであろう。よって、今こそ遠大な観光政策を樹立する必要がある。つまり、1) 国際観光港の修築、2) 観光道路の設置、そして、3) 観光客の接遇施設の充実等を図ること、これが吾人の求める平和、博愛、文化の象徴と記されている。

この方針に基づいて具体的な建設計画が策定され、昭和26年6月、重要港湾の指定を受け、別府国際観光港は国の直轄事業として実施することになり、同年10月1日別府港工事事務所が開設された。

 

事務所の移転…

 

昭和47年頃になると、既存の事務所は敷地が狭く、建物も古くなってきたこと、また、仕事の面では一応、大分空港も一段落したし、別府港も大きな計画はないが、大分港は始まったばかりで事業の継続も明るい等から、大分市へ事務所を移転してはどうかとの案が浮上してきた。この話は、かなり前向きに検討されたようであるが、最終的には大分市への移転は取りやめ、現在地の別府市石垣東10-3-15に決まり、昭和51年5月14日、鉄筋コンクリート造り、二階建ての事務所に移転、現在に至っている。

 

これからの事務所…

 

平成に入ると、従来の別府港、大分港、大分空港の事業に加え、平成5年度に佐伯港で直轄事業に着手、平成9年7月には佐伯市字船場に佐伯詰所を設置(平成11年4月からは佐伯市駅前二丁目に移転)し、事業の推進にあたっているほか、平成10年度からは、別府港に大型観光船の入港を促進するため、別府国際観光港第四埠頭の整備に着手、さらに中津港が重要港湾に格上げとなり、平成11年度から中津港の直轄事業に新規着工したため、平成11年4月から中津市大字是則に中津分室が誕生するなど、地元経済の発展と観光浮揚の期待を背負いながら、大分県の北から南まで幅広く事業を展開中である。

また、平成9年4月から事務所の名称が「別府港湾空港工事事務所」と改まったことから、より一層地域に密着した事業の展開を図るとともに、地域から頼りにされる事務所となることを目指して、港湾及び空港の整備事業を推進していく所存である。

 

別府港の概要…

 

別府港は別府湾の湾奥に位置し、背後にわが国有数の温泉と豊かな風光を持つ国際観光温泉文化都市別府の海の玄関口として、古くから瀬戸内海交通の要衝として繁栄してきた。

本港の整備は、昭和26年4月より運輸省の直轄工事として港湾整備に着手し、同年9月重要港湾の指定を受けた。昭和32年、第2埠頭岸壁(マイナス5.5m)1バースが完成し、以後、着々と施設整備がなされ、現在、第1埠頭、第2埠頭、並びに第3埠頭に岸壁(マイナス12m)をはじめとする8バースが供用されている。昭和39年の九州横断道路の開通、平成3年九州横断道路の開通により、九州観光の拠点として、年々観光客は増加してきた。現在では、3航路、1日13便の定期フェリーや観光船の寄港等、年間約88万人の乗降客が利用するなど活況を呈している。

 

021-1.jpg

別府港第四埠頭完成予想図

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION