ところが貨物もまったくそうでありまして、運んでもらいたいなという人と、運びたいなという人がすぐ近くにいるのに、素通りして「いやあ、貨物がないから空で帰るわ」と、言いながら、本当は安ければ載せてもらいたいなという人がたくさんいたわけですね。だから、「どこからどこまで、いつ、運んでもらいたいんだけれど、この値段で運んでもらいたいんだけれど、誰かいない」という情報がインターネットで流れて、それを見ながら、「あらっ、俺は鹿児島から東京まで帰る途中だった、広島でこんなお客さんいるから、広島の貨物を名古屋までいくらで運んで、名古屋からこのお客さんがいたんで、名古屋から静岡まで、これ運ぶか」という感じで、運んでいきますと、大変社会的に物流コストが削減になるし、無駄がなくなるし、環境的にも良くなるし。だからこそ、これから先、トラック業者、トラックの運転手というのは、まさしくITドライバーというのか、情報技術ドライバーというのがありますけれど、こういったドライバーになっていかなければならない。あるいは、こういった業者になっていかなければならない。インターネットというのは、大きいものをより強くするという側面もありますが、小さい業者であっても日本中の貨物を扱える可能性を秘めている、マッチングさせることができるという大変な道具でありますから。小さい業者さんであればあるほど、早くこのインターネットを、システムを取り入れるということが求められるということであります。
某宅配業者はセールスドライバーという名前をつけて、若い人にアピールしているようでありますが、セールスドライバーでとどまってはいけないということですね。長崎まで届けるのに、セールスドライバーが走っていっているようでありますけれど、そうではなくて、やはりコンピューターを身につけるということが、いかに社会全体のコストを削減する、あるいはハイモビリティを確保する。あるいは環境にやさしい、できるだけ効率的な走り方をするという意味において、このコンピューターの活用というのは大変、コンピューターと通信の活用が重要になっているということであります。
アメリカではすでに毎日、ABC等のニュースを見ておりますと、アメリカではやはりドライバーの方々がパソコンを活用して、自分は今荷物ここで降ろしたんだけれど、一番いいところの、すぐに荷物のある人で、帰り道のところ、どなたかいいのないかと探しながら、やはり効率的に動いていくと。システムがかなり出来上がっているようでありまして、今アメリカのトラック業界は大盛況で、しかも株式を従業員が持ち株会で持っている人達は、大金持ちになっている人たちがたくさんいるわけですね。ですから、トラック業界というのは、新しい資本主義の小口、ハイモビリティの物流条件に合わせたシステム、それを地域の中でどれだけ、仕事を生み出すかどうかというのは、地域全体の開発、それから社会資本の活用、先程申し上げたリージョナルロジスティクスだとか、ソーシャルロジスティクスということを含めてですね、お客さんそのものを生み出すという地域開発の視点が、ロジスティクスの視点から求められているということだろうと思います。
今日は皆さんのお聞きになりたい森田先生の講演も控えておりますので、私のお話は予定通り40分ということで、時間になりましたので終わりたいと思います。
どうもご清聴ありがとうございました。