(3) 細島港における港湾整備・航路拡充の取り組み
○新たな岸壁(水深-13m)と多目的バースの供用
細島港では、白浜地区において、新たに水深-13mの岸壁と、新規コンテナターミナル4ha、多目的ヤード5haが整備され、2000年8月11日に供用開始された。
新岸壁は既存の水深-10mの岸壁の軌条を延長して整備されたもので、荷役作業はガントリークレーンと多目的クレーンの計2基で対応する。コンテナターミナルは既存の3haと合わせて7haとなり、蔵置能力は約2,600TEU、リーファーコンセント24個となる。
○APLの誘致等、定期航路の充実
細島港では、2000年10月に大手海運会社APLの定期航路が開設され、台湾の高雄経由で世界の主要港との航路網が確保される。新航路は、週1便の運航予定で、細島港がファーストポートおよびラストポートとなっている。我が国では、その他、水島港(岡山県)、広島港、那覇港に寄港し、台湾の高雄港とを結ぶ。
APLは、アジアでは高雄港に大規模なコンテナ貨物基地を保有し、世界の主要港と結ぶ定期航路を有している。そのため、高雄港で積み替えることにより、世界の主要港とのネットワークが開けることになる。
また、従来愛媛オーシャンラインと共同で台湾航路を運航していたOOCLは、単独で台湾香港航路を運航するようになり、代わって東京船舶が台湾航路に参入した。
なお、2001年1月より油津港にも韓国航路が開設されている。(表3-6-1)
(4) アクセス道路の整備の必要性
○細島港は、宮崎市以南の荷主にとっては陸送時間が長い
細島港は、宮崎市以南の荷主にとって、宮崎港や志布志港に比べて陸送時間が長く、博多港と変わらないため、コストメリットが出ないとの認識がある。
【都城市に立地する大手タイヤメーカーの事例】(D社)
・輸出の船積港は、現在、博多港75%、志布志港20%、大阪港5%の割合である。細島港は陸送時間が長く、博多港と比較しても陸送コストが大して変わらない。海上運賃等も含めたトータルコストでは博多港の方が安くつくほどであるため、コストメリットが出ない限り、利用は困難である。
○アクセス道路の拡充整備が必要
一般国道の片側2車線化など、道路の拡充整備が求められている。
【宮崎県に本社をおく卸売業者の事例】(G社)
・宮崎県は地形が南北に長く、物流効率化が課題である。
・県北部への道路整備について片側2車線化の早期実現を希望する。