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【大阪―志布志航路の分社化】

フェリーの最大手、ブルーハイウェイライン(略称ブルハイ)は4月1日から、大阪―志布志航路の運航を、新設するブルーハイウェイライン西日本(略称・ブルハイ西日本)に移管する。同航路は90年にブルハイが日本高速フェリーから譲り受け運航していたが、98年3月期の決算で37億円の累積欠損を抱え、航路維持が危ぶまれていた。ブルハイは分社化でコストを削減し、航路を維持する方針だ。

新設するブルハイ西日本は資本金11億8,320万円で、ブルハイが全額出資する。ブルハイの西日本方面の社員をブルハイ西日本に移管し、地元に密着した営業活動で、業績回復を目指す。分社化で人件費を削減でき、中小企業としての税制優遇措置を受けることが出来るという。現在、2隻のフェリーを使い1日1便体制で運航しているが、ブルハイは今後もこの運航回数を維持する方針だ。(後略)

(資料)日経産業新聞(2000年3月29日)

 

【関東―北海道航路への大型新船投入】

トラックから内航海運へのモーダルシフトに力を入れる日本通運は、来春を目処に関東―北海道間の航路にコンテナとトレーラーの双方を積めるRORO(ロールオン・ロールオフ)コンテナ船2隻を投入することを決め、このほど建造工事に着手した。

新船は現在、東京港と苫小牧港を結ぶ「新あかしあ丸」「新ゆうふつ丸」の代替船。甲板にコンテナを積載するほか、船倉にはフェリーのようにトレーラートラックの荷台部分をそのまま積み込めるROROコンテナ船で、こうしたタイプの船としては同社が一昨年末から東京―九州間に就航させている「はかた丸」を凌いでわが国最大級。トレーラーについては行き先の港に寄港後、トラックでけん引してそのまま最終目的地に直行できる機動性が売り物だ。

2隻とも同寸で、全長161メートル、幅24メートルで、総トン数7,650トン。コンテナは鉄道の5トンコンテナに当たる12フィート換算で200個まで積載可能で、トレーラーの荷台は50台分積める。さらに船体にクレーンを装備しているため荷役設備のない港への寄港もOKで、積み卸し作業もスピーディーになった。

エンジンは2万2,980馬力にパワーアップされ、船形の工夫で抵抗を減らしたことなどにより、航行速度は時速約43キロ(23ノット)とこれまでより10キロ程度スピードアップ。東京―苫小牧間を25時間で結ぶ。新船は国際貿易に使われる20フィート、40フィート海上コンテナにも対応できることから、日通では輸出入貨物の国内部分のいわゆるフィーダー輸送にも有効活用することにしている。

(資料)交通新聞(2000年6月9日)

 

【横須賀―大分航路の開設】

運輸省は、九州の物流会社などが設立したフェリー会社「シャトル・ハイウェイライン」(横浜市)が申請していた定期航路「大分港―横須賀港(神奈川県)」の開設を許可した。運航開始予定は2002年4月。自動車180台、旅客90人を運べる新造船(16,000トン)2隻で、年間ほぼ毎日(700便)運航する。所要時間は20時間。

10月施行の改正海上運送法に基づき許可された長距離航路の第一号。(中略)

同社は、「物流中心の運航ができる高速フェリーの実現」を目的に昨年12月、運送・物流業を中心にした九州7社と関東4社の計11社で設立。初の航路開設を今年4月、申請した。

新航路で、関東向け荷物の集荷エリアが大きく広がり、生鮮食料品の輸送や宅配便の利便性が向上するという。現在、九州―関東のトラック輸送は直行運転でも20時間以上かかり、法的に二人の運転手が必要だが、新航路なら一人で対応可能。将来的には、運転手が港で交代する「船内無人化」も計画している。

また、同航路では、佐世保重工業(SSK)などが開発し、特許出願した船舶・車両統括管理システムも採用される予定。大型トラックと高速フェリーに、双方向カーナビゲーション装置を搭載し、車両や船舶の位置を衛星、地上テレビ波、携帯電話などを利用して追跡。綿密な時間管理ができるという。

(資料)西日本新聞(2000年11月25日)

 

 

 

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