(4) 特積みトラックをターゲットとした海上輸送網の拡充に関する方策
1] 特積みトラックを想定した川崎〜日向・宮崎航路のフェリーダイヤ見直し
川崎〜日向・宮崎航路において特積みトラックの輸送形態に対応したダイヤ設定への変更を検討する。具体的には、特積みトラック事業者の南九州各地のターミナルを21〜22時に出発することを想定し、宮崎港・細島港の出港時刻を23〜24時台に変更することを検討する。その際、特積みトラック事業者の利便性を考慮するとともに、現在のフェリー利用者に対するダイヤ変更後の利用可能性も併せて検討し、最適なダイヤ設定の実現を図る。
■対象地域
宮崎港、細島港
■推進主体
海運事業者が中心となり、宮崎県は必要な助言、港湾管理者として調整を行う。
2] 特積みトラック事業者に対する海上輸送利用の促進
特積みトラック事業者の海上輸送利用を促進するため、セミナー開催、ミッション派遣等を行うとともに、インセンティブとして事業立ち上げ段階における海上輸送運賃等の助成も検討する。また、特積みトラックの輸送の信頼性に対する厳しいニーズに対応するため、航路の欠航率の低下や出港時間に間に合わなかった場合にトラック輸送によって代替できるシステムの構築なども併せて検討する。
■対象地域
関東、関西を中心とする大都市圏(事業者の本社は全国を対象)
■推進主体
宮崎県ポートセールス協議会、宮崎県、海運事業者等が連携して行う。
3] 船舶代替時における船舶の高速化・RORO船化の検討
各業種・品目により輸送に求められるリードタイムや出発・到着時刻は多様であり、こうした輸送ニーズに対応するためには、長距離フェリー航路やRORO船航路等のさらなる高速化が有効である。こうしたことから、宮崎県発着のフェリー航路においても、船舶の代替時に船舶の高速化について検討する。その際、欠航率低下のための耐候性の向上も求められる。ただし、高速化は燃料費を中心とした運航コストの上昇要因でもあることから、コスト上昇と期待される需要拡大効果の両面から慎重な検討が必要である。