(2) 架橋検討の基本条件
架橋についての検討を進めるにあたっては、大別すると「架橋のルートを検討するにあたっての条件」及び「橋梁の形式を想定するにあたっての条件」があげられる。
1] 架橋のルートを検討するにあたっての条件
ア. 橋梁の経済性・施工性
橋梁の経済性・施工性の条件は、次のような要素によって構成される。
・橋梁区間が短いこと
・水深が深くないこと
・取付道路及び道路改良が長くないこと
イ. アクセス性
橋梁の位置は本島側のアクセス・加計呂麻島側のアクセスを考慮することが必要である。
ウ. 環境保全の確保
架橋の建設に際しては、環境保全に配慮することが必要である。
2] 橋梁の形式を想定するにあたっての条件
架橋のコストや効果を検討するためには、橋梁の形式を想定しておくことが必要である。
形式を想定するにあたっての条件は次のとおりである。
ア. 航行船舶
大島海峡は、大型船舶の避難港となっていることから、これらの船舶の航行が可能な構造が求められる。
イ. 地質
橋梁の下部工の基礎工事は、地質によって施工の難易度が異なってくる。
ウ. 風力
本地域は台風常襲地帯であるため強度の鋼材を使用するなど耐風性を配慮した構造が求められる。
エ.景観
本地域は国定公園であり、景観の優れた地域である。橋梁の景観も周辺にマッチしたものとすることが必要である。
(3) 架橋位置の概略ゾーン区分
1] 架橋位置の概略ゾーン区分の設定
本島と加計呂麻島を結ぶ架橋のルートについては、本島側は、大島海峡に沿って走る県道・主要地方道に連結し、加計呂麻島側は県道安脚場実久線に連結することとして位置を検討する。
加計呂麻島の最西端(デリキョンマ崎)については、市街地と国道58号線への距離が長くなることからルートの設定から除いた。
ルートについては、本島側と加計呂麻島側の岬を結ぶことを想定した。ここでは、ルートを大きく3つに区分し、「西部ゾーン」「中央ゾーン」「東部ゾーン」として設定した。