3] バリアフリー化を進めていくための課題
■費用負担に加え、座席数減少、低需要路線での新車投入の困難さ、道路構造上の問題
ほとんどの事業者が、今後バリアフリー化を進めていくにあたり、車両購入費の増加に対する費用負担を課題としてあげている。
また、少ない需要のもとで新規車両の導入が難しい点、バリアフリー化設備の設置に伴う定員数の減少、バス停での乗降時における道路構造上の問題等が懸念されている。
《アンケート調査結果(自由回答)》
*バリアフリー化を促進する際、事業者として最も問題であるのは、車両価格の大幅な増加である。公共交通機関としては、バリアフリー化を促進し、全ての路線で、障害になることを無くして行くべきと思われますが、乗客減少に歯止めがかからない厳しい状況下で、従来のバスより5割程度高騰する車両価格にどの様に対応していくかが非常に大きな問題である。(長崎県交通局)
*経費削減のためバスが小型化されている。(上対馬町)
*また、現状としてバス路線の維持が厳しく、バス会社へ補助金を出して運行してもらっている状況で、バリアフリー化の整備までは考えられない。ただ、フェリーターミナルのバリアフリー整備は行っている。(上対馬町)
*バリアフリー化は検討しているが、車両購入費の増加および道路状況(歩道幅が狭く、スロープ板使用できない)等で困難。(対馬交通)
*ハード面でのバリアフリー化は経営状態から難しい。ソフト面でのフリーバス(自由乗降)の促進などで利便向上に供したい。(大崎自動車)
*バス停留所の設置個所によっては、ワンステップ、ノーステップのバスでは乗降のできない道路構造上の問題がある。(西肥自動車)
*対象路線に関しては問題はないが車両を導入する場合その他の路線にも流用しているので、道路状況運行時分等から考えると現時点では難しい。(五島自動車)
*フェリーの車両積載所に身障者および高齢者用の客室を要望。(鷹島町)