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4] 旅客航路の経営状況と補助航路等の指定状況

データの制約上、九州管内全体における旅客航路事業者の航路事業の収支状況をみると、ほとんどの業種・規模分類において収支率が100%を割っており、厳しい経営環境にある事業者が多いことが推察される。

 

表3-1-5 九州管内旅客航路事業者の航路収支状況(1998年)

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単位) 百万円

資料) 「九州運輸要覧(海運編)平成11年度版」((財)九州海運振興センター)より三和総合研究所作成

 

こうした中、以下の点を要件として国の国庫補助航路が定められ、標準的な賃率や経費単価に基づき算定する標準化した欠損額が支給されている。

・本土と離島(準離島を含む)又は離島相互間を結ぶ航路であり、かつ他に交通機関がないか又は他の交通機関によることが著しく不便となること

・当該航路において関係住民のほか、郵便物又は生活必需品及び主要物資等を輸送していること

長崎県における補助航路の指定状況は表3-1-6に示すとおりである。

2000年10月に改正海上運送法が施行され、旅客船事業の需給調整規制が廃止されるのに先立ち、離島など船舶以外に交通機関がなく、航路廃止によって日常生活に支障が生じるなどの恐れのある航路が「指定区間」に指定された。

指定区間は全国276区間あり、指定区間に位置づけられた航路では、1]事業の参入に際し、一定の便数、定員の確保などを義務づける、2]運賃は高騰防止の観点から上限額を認可する、3]事業の休廃止は6か月前までの事前届出制とする、などの制約を受ける。

長崎県では、現行補助航路のほぼ全部に加え、離島や半島部に発着するほとんどの航路が指定区間に指定されている。

 

 

 

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