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(3) オランダ

オランダでは、沿岸域管理(Coastal Management)の定義は多数あり、技術・社会・経済的な側面での総合的な調整と位置づけられる。

 

オランダは、ヨーロッパでも特殊な例であり、低地に人口が密集しているため過去からの高潮被害に悩まされてきた。このための大堤防は既に完成したが、現在では海浜の国民生活に対する重要性が再認識され、新たな沿岸管理が必要とされている。

 

(4) ドイツ

連邦が枠組み法である基本法を制定し、各州(16州)が実際の実施法を制定しており、特にミチゲーションに関連深い水や自然生態に関しては、州への権限委譲の度合いが大きい。

 

(5) オストラリア

オーストラリアの沿岸域管理の特色は、地方行政法(Local Government Act)と都市計画および開発法(Town Planning and Development Act)による市Councilの責任と権限の集中化にあり、また土地関連法(Land Act)によって王領地(Crown Land)の占有を可能にしている点である。

具体的な政策決定と実施については、各地域の市レベルのCouncilが責任と権限を持っている。市も独自のCommitteeやStudy Groupをつくり、海岸管理・開発計画を策定し、アンケート等を通して提言や意見を反映できるようにしている。沿岸域管理に関する大がかりなプロジェクトは無いが、市レベルでの比較的小規模な事業は活発であり、事業としては、ゾーニングとそれによる駐車場の整備、排水工事、ビーチの整備、飛砂対策(植裁やフェンス張り)など市の予算の1%ないし、2%程度の小規模なものが多い。

最近では、連邦政府が市民の管理計画への参加、行政機関同士の調整や統合、および管理目標の総合化を目指した総合的沿岸域管理政策や自然環境保護・保全を目的とした政策を次々と打ち出し、沿岸域管理に関する活動が非常に活発になってきている。

 

 

 

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