(3) 塩分
海水の塩分は内湾や沿岸域で雨水や河川流入の影響を受けやすく、波浪の影響の少ない海域などでは、高温期に成層が形成され、海面から海底までの塩分に濃度勾配がみられる。そのため、潮間帯および亜潮間帯の海藻は、潮汐により周期的な塩分変化に晒される。塩分の広い範囲に耐える種類を広塩性(euryhaline)、狭い範囲にのみ耐えるものを狭塩性(stenohaline)と呼ばれる。
アイスランドにおける4つのフィヨルドにおける海藻の分布を表2-1-3に示す。どのフィヨルドにおいても、塩分が高くなるにつれて海藻の種類数が増加する。また、紅藻では特に低い塩分域での種類数が少なく、低塩分に対する耐性が低い傾向がみられる。