第5章 動力装置
5.1 油圧源
バックホウ掘削機と他の機器用の油圧源はそれぞれ別個に設けることを基準とする。
〔解説〕
第3章浚渫機部で示したとおり、バックホウ掘削機の掘削機構の駆動及びその制御はすべて油圧によっている。スパッド揚降装置を油圧駆動とする場合、使われていないバックホウ掘削機走行装置の油圧系統を利用することも可能ではあるが、この場合バックホウ製造者の責任範囲の問題が発生するため、一般には船内機器用として専用の油圧源を設け、バックホウ掘削機とは別の油圧系統とする。
5.2 電源
船内機器、空調機等の電動機及び照明・信号灯等の所要電力に適応した発電機を設ける。
〔解説〕
バックホウ掘削機は、独立した電源(ディーゼルエンジン始動用バッテリー)と充電用発電機(オルタネータ)を内蔵しているため、本船から電気を供給する必要はない。
上部旋回体付の照明灯を特別に増設・強化するには、本船から電気を供給する必要があり、この場合には旋回ベース中心にスリップリングを設けて電源の供給を行う。
5.3 環境保全
環境保全のため、バックホウ掘削機の排気ガス、騒音を低減するよう配慮し、作動油には分解性作動油を使用することが望ましい。
〔解説〕
バックホウ掘削機の排気ガスについては、排気に有害成分の少ない良質の軽油を使用することが好ましい。
バックホウ掘削機の騒音については、低騒音・低振動の機種を選定することが望ましい。
バックホウ掘削機には、低騒音型・低振動型建設機械の指定を受けているものもあるが、バックホウ浚渫船に搭載される大型のものは指定を受けていないことが予想される。
作動油については、ホースの破損等により流出し海上を汚染する場合の対策として、分解性作動油を使用することが望まれる。