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〔解説〕

船を実際に使用するときは風圧による船体傾斜も生じるが、計画の際は煩雑であるので、船体の横傾斜角は3°以内におさえて最大3°=0.0524ラジアンとして計算する。

縦の傾斜角は作業時負荷した折は一般に船首トリムになるが、バラストの載荷容量、載荷場所によってどのようにも調節できるので、ここでは便宜上一応水平とみなし、θy=0として計算する。

風に対抗する旋回出力を求める場合常に作業時の風速が問題になるが海上で引船が作業できる平均風速は、10m/s程度といわれている。事実アンケート調査の結果からも、港湾の地勢に左右されるとは考えられるが、10m/s〜12m/sとの回答が多い。

そこでこれら非自航起重機船も引船に左右せられるところが多いので12.5m/sとした。

また、風に対する出力をたとえ起重機自体について精密に計算しても、吊られる物の風圧抵抗を考えなければ厳密には無意味である。

吊る対象物が丸鋼等の場合は対象物の風圧は無視できるが、ケーソンの場合は平面構成で嵩も大きいので風圧抵抗モーメントは意外と大きい。そこでこれら風圧を個々に計算するのは煩雑であるので揚重物の風圧面積は荷重の標準嵩より決め、風速は16.Om/sとしてモーメントを求める。旋回加速時問は一般に360°全旋回する起重機においては3〜8秒の間であるが、旋回ポストに集電環を設けるのは故障が多いので、スプリングなしでキャプタイヤーをセンターポストに通し、旋回角度は180°×2=360°で、180°ずつ振分けに旋回できるようになっているケースが多く、したがって旋回角度が180°であるので加速時間から、すぐ減速時間となりやすい。特に小型起重機で90°旋回(引込不能)の場合はブレーキにも制限があるので、そうなりやすいが、サイクルタイムはあまり考えなくてもよいので8秒程度でよい。

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を標準として考える。これも作業工程に旋回の頻度が少ないためである。

以上のようにあまりにも煩雑であるので、計画の際、解りやすいよう計画の初期段階では下記によってもよい。

 

 

 

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