(7) シリンダヘッド(写真-6)
・シリンダヘッドは、高い燃焼最高圧力による機械的応力と燃焼温度による熱応力とに対処する為、強度が高くかつ熱伝導率の高いCV(バーミキュラ鋳鉄)を採用しています。また変形を小さくしてガス漏れを防止するとともに、高さ寸法、中棚、上面及び外周壁の肉厚を十分厚くし、中棚は斜めリブ形状の採用により剛性の均一化を図っています。
・燃焼面は肉厚で、ボアクール冷却としています。シリンダブロックから上がった冷却水は、シリンダヘッド下面からボアクール穴を通って燃焼面全体を冷却し、燃焼噴射弁に沿って上部へ流れます。
・吸排気弁はタンデム型に配置し、吸気管、排気管を同一サイドにすることによって、カム軸側の取り扱いを容易にしています。
(8) 吸排気弁
・吸気弁は、耐熱鋼に特殊合金を盛金し、排気弁には特殊耐熱鋼のナイモニック弁を採用しています。
・排気弁のシートリングは、冷却型を採用して排気弁の寿命延長を図っています。
・吸排気弁共に、バルブシート面の当たり、温度を均一化し、偏摩耗を防止するため、バルブローテータを採用して、弁点検時間の大幅延長を図っています。
(9) 燃料噴射ポンプ・燃料噴射弁
・燃料噴射ポンプは、モノブロックタイプのクローズドバレルを採用し、高圧短期噴射、噴射系シミュレーション解析による最適化により、低燃費を実現しました。また、等圧吸戻し弁組込みの高圧型を採用しています。
・燃料噴射弁は、応答性の良好なミニマス方式を採用し、噴孔部に特殊加工を施して、流量係数をアップし燃焼の改善を図っています。
(10) 過給機・空気冷却器
・高効率なニイガタ-MANB&W型高効率の無冷却過給機を搭載し、機関の高性能化を達成しました。平軸受の採用により軸受寿命は長く、構造が簡単で部品点数が少ない為、取り扱いが容易です。
・大容量の空気冷却器を採用し、機関の高出力化に対応しています。列型機関には、シリンダブロック側面の給気室に直接取付ける方式として、接続ダクト類を廃止し構造の簡素化を図っています。
4 おわりに
22HLXは性能、信頼性いずれの面においても、まさに次世代型と呼ぶに相応しい機関であると自負しております。これからの当社を代表する機関に成長していくものと自信を持って御紹介すると共に、これまでのHXシリーズ機関同様に、高出力・高性能で、なおかつ取扱い易い機関として、幅広い用途での御期待に添えるものと確信しております。