日本財団 図書館


053-1.gif

写真-2

 

・ピストンの上死点・下死点位置でシリンダブロックに支持されており、ピストンスラップによるライナ振動が抑えられています。

・また、アンチポリッシュリング(通称ファイアリング)を装備しているため、ピストンに付着した硬質カーボンによる摩耗が少なく、耐久性が飛躍的に向上しています。

(4) ピストン(写真-3)

・機関の高出力化に伴うピストンの機械的・熱的負荷の上昇に対処する為、設計段階においてFEM(有限要素法)による解析を行うとともに、試験機関による温度・応力の計測を行い、十分な強度を有することを確認しています。

・ピストンリングは圧力リング3本、オイルリング1本の4本構成で、トップリングは特殊バレル形状にクロムメッキを施しています。高出力化に伴う燃焼圧力の増大にも拘らず、ファイアリングの効果と相まって、従来機関に比べて耐久性が向上し、潤滑油消費率も大幅に低減しています。

 

053-2.gif

写真-3

 

(5) 連接棒(写真-4)

・連接棒は水平二分割タイプで、ピストン、シリンダライナ、連接棒をユニット化することにより、従来の斜め二分割連接棒と同等のピストン抜き高さで、一式分解・組立が可能となり、燃焼室部品を傷つけることなく容易に機関へ組込むことが出来ます。また、三分割タイプの連接棒も設定し、幹部を切り離してライナ途中で固定することが可能で、シリンダヘッドを分解することなく大端部の分解・組立が可能です。

・どちらのタイプも大端部合わせ面は剛性の高い幅広で、セレーションを設けているため組立時の位置決めが容易です。燃焼圧力や慣性力による変形を小さく押さえ、油膜厚さの確保と軸受の耐久性向上を図っています。

 

053-3.gif

写真-4

 

(6) 力ム軸(写真-5)

・カム軸はカム一体構造とし、軸径を太くすることにより高圧短期噴射による燃料噴射ポンプの荷重増大に対応しています。

・吸排気ローラはタペット方式を採用し、より取り扱いの容易化を図っています。

 

053-4.gif

写真-5

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION