5) 制御信号と燃料噴射
コンピュータ搭載のECMが受け取る信号は、ホール効果スピード/タイミングセンサ信号、スロットルセンサよりのPWM(パルス幅変調)信号、およびその他のセンサよりの、アナログ信号である。
アナログ信号はすべて、0-5VレベルでECMに取り入れ、ここで10ビットのデジタル信号に変換して演算処理する。
ECMより発信される制御信号は、ユニットインジェクタに組み込まれた、150-200MPa(機種により多少異なる)の燃料制御弁を100V程度の電磁ソレノイドで操作し、最適燃料噴射パターンと噴射時期を実現する。
特に、噴射時期については、クランク位置の上死点に対し、どの進角で噴射させるかを、実クランク位置に対し精密に制御する必要があり、このため、エンジンの各サイクル毎に、機械的クランク位置を基準にして、コンピュータ演算とのタイミング合わせを行う。
このため、カム軸には、特殊歯形パターンを持つタイミング車が装着されており、この歯形パターンに対応する電磁ピックアップ信号を基準にして、図7に示すように、サイクル毎にタイミングを合わせる。このタイミング信号に基ずき、燃料制御弁の作動、燃料加圧の遅れ等を考慮し、しかも必要な噴射パターンになるようなタイミングで弁リフト信号を送り、燃料噴射をコントロールする。