4) 燃料噴射のメカニズム
この電子制御システムで、ECMよりの制御指令に即応し、高圧燃料噴射を実現するハードウエアの中心が、図6に示すメカニズムである。
シリンダヘッドには、電磁ソレノイドで作動する燃料流量制御弁を組み込みこんだ、ユニットインジェクタを装着しており、高圧の下で、燃料噴射時期、噴射パターンが自由にコントロール出来る。
(HEUI式の場合は、蓄圧室に保有する高圧作動油で、このプランジャを、油圧駆動することにより高圧噴射を得ており、より自由に噴射時期を制御できる。)
ユニットインジェクタ部全体は、ヘッドカバー内部に密閉されており、ECMよりの制御信号は、シリンダヘッド部に設けられた、特殊防水ソケットを介して送り込まれる。
これで分かるように、ここで扱っている電子制御エンジンでは、従来のガバナハンドルに相当するスロットルはあるが、噴射量コントロールの燃料ラックやリンク類はなく、これに相当するコントロールは、すべてECMよりの制御指令信号により、電磁制御弁が直接行う。
また、エンジン回転速度や、燃料噴射量の制限は、制御プログラム内に設定されるため、機械的な方法でこの制限を変更する事は出来ない。