燃料噴射の具体的なステップは、およそ次のようになる。
− カム山の回転により、ロッド、ロッカを介して、ユニットインジェクタのプランジャが押下げられ、燃料加圧が始まる。
− ECM搭載のコンピュータは、回転速度その他、エンジン状態を示す各センサと、ユーザの要求信号(スロットル位置など)をもとに、内蔵の最適噴射データ、ガバナ特性等のデータに従って噴射時期、噴射パターンを計算する。
− ECMは、燃料噴射開始をするため、約100Vの電圧を、ユニットインジェクタ内蔵の燃料電磁弁に送る。
− この電圧で、燃料電磁弁が作動し、燃料逃がし孔を閉める。
− 燃料はプランジャバレル内にとじ込まれ、この状態でプランジャによる加圧が続き、この圧力がノズルの開弁圧に達すると燃料噴射が始まる。
− ECMが、燃料噴射を終了させるため、燃料電磁弁への約100Vの電圧発信を止めるまで噴射が続く。
4. 保護監視、遠隔操作システム
電子制御エンジンでは、搭載コンピュータとメモリの機能を最大限に利用して、質の高い、充実したエンジンの保護監視、遠隔操作、故障診断、整備情報提供を実現し、エンジンの稼働効率を高め、エンジンの総合的な信頼性向上につながっている。