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(1) 海水潤滑軸受

海水潤滑軸受の軸封装置には3・21図に示すようなグランドパッキン方式と3・22図に示すような端面シールとがある。

1] グランドパッキン方式

グランドパッキン方式は、パッキン箱を設けその内部に封水用のパッキンを配列し、通常2つ割れのパッキン押えで締め付ける構造である。パッキン材として、ラミー、フラックス、コットンなどにグリースを含浸させたもの、さらに、メタリック黒鉛を入れたものなど多くの種類がある。パッキンの軸との共回りはグランドパッキンから海水漏洩につながるのでパッキン寸法は慎重に決める必要がある。パッキン押えによるパッキンの締め過ぎはプロペラ軸スリーブの異常摩耗の原因となるので注意が必要である。

 

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3・21図 グランドパッキン方式の構造

 

2] 端面シール方式

3・22図に示すような端面シール方式はプロペラ軸スリーブの異常摩耗に対応できるシール装置として開発されたものである。端面シール方式はゴムの弾性を利用した簡単な構造で密封摺動材として特殊合成ゴムを使用しているのでシール性が良く寿命が長い。またプロペラ軸の複雑な振動に対しても十分対応できるものである。3・23図に示すように端面シールには、シール性が悪くなって、シールリングを取替える場合に封水する緊急用シールが装備されている。

 

 

 

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