日本財団 図書館


24) 水潤滑式船尾管軸封装置

水潤滑式船尾管軸封装置(シール装置)とは軸系の船体貫通部から船外の水が船内(機関室)に流入するのを防ぐ装置を言う。船尾管の機関室内側に装備されるもので、グランドパッキン方式のものや端面シール方式(メカニカルシール)のものがある。

25) 油潤滑式船尾管軸封装置

油潤滑式船尾管軸封装置(シール装置)とは船外の水が船尾管内に流入するのを防ぐとともに船尾管内の油が船外および機関室に流出するのを防ぐ装置を言う。船外側の船尾側シール装置と機関室内側の船首側シール装置によって構成されている。シール装置としては通常リップ式のものが多く装備されるが、端面式のものもある。

26) シールライナ

シールライナとは油潤滑式船尾管シール装置においてシールリングとの摺動部に設けられる円筒状で軸を覆うものを言う。船尾側シールライナはプロペラに固定され、また船首側シールライナは、軸上に設けられた二つ割りクランプリングに固定され軸と共に回転する。シールライナはシールリングと摺動し、密封機能を形成する。

一般には船尾側シールライナには高クロムステンレス鋼、船首側シールライナには高クロムステンレス鋼または特殊鋳鉄が使用される。シールライナはクロムライナとも呼ばれる。

27) シールリング

シールリングとは船尾管シール装置において水または油を密封する働きをするリングのことを言う。シールリングの構造としては、リップシール方式、端面シール方式、セグメントシール方式などがある。使用される材料には、合成ゴム、合成樹脂、炭素などがある。

28) 非常用シール(緊急用シール)

非常用シールとは船尾管シール装置に端面シール装置が採用される場合、端面シール装置内に装備される合成ゴムなどで作られた部品で、シールリングの損傷などでシールリングの密封性が機能しなくなった非常時にプロペラ軸停止中、圧力空気などによって一時的なシールを目的として用いられる緊急時のシールである。

29) 軸系アース装置

軸系アース装置(軸系接地装置)とは軸系と船体との電位差をなくすことによって電気的腐食を防ぐために軸系と船体を導体で結ぶ装置を言う。

30) 軸系アライメント

軸系アライメントとは軸系装置で、プロペラ軸、中間軸などの軸のたわみ、軸受荷重などを考慮した軸系の据付け配置を言う。軸系が直線となるような軸受配置のストレートアライメントおよび各軸受の位置を上下に調整して軸受荷重の分散配分を考慮した軸受配置のオフセットアライメントとがある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION