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・前進時

タワミ軸接手→入力軸(前進軸)→前進クラッチ→前進小歯車→大歯車→推力軸

・後進時

タワミ軸接手→入力軸(前進軸)→前進クラッチハウジング(逆転駆動歯車)→逆転被駆動歯車(後進クラッチ)→後進小歯車→大歯車→推力軸

 

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2・212図 油圧湿式多板減速逆転機の動力伝達経路

 

2) 減速機

(1) 減速機を装備する目的

機関の高出力化は回転数を上げることと、正味平均有効圧力を上げる2つの方法で計画実施されてきた。機関の回転数を上げる方法では、船舶機関のクランク軸とプロペラ軸が直結されている限り、機関の回転数が上昇するにつれてプロペラ効率が悪くなり、上げ得る回転数には限度がある。しかし回転数を上げなければ高出力化は望めない。この問題を解決するためには、機関の回転数は上げたままとし、プロペラ軸の回転数のみ低くする必要がある。この手段として舶用機関に減速機を装備しプロペラを効率の良い回転数で廻すようにしている。

(2) 減速機の種類と構造

減速機には、いろいろの種類のものがあるが、通常使用されているのは、前項でも記したような大小の歯車を組合わせ、その歯数比により回転数を変える歯車式1段減速機である。

平歯車、ハスバ歯車、傘歯車、等の歯車が使用されるが、その並べ方により次のような種類がある。なお、最近の減速機には、強度面、低騒音化の面より殆ど、ハスバ歯車が使用されているが、ハスバ歯車は機構上軸方向に推力が発生するので、整備時には軸受けやスキマの取り方に、細心の注意が必要である。

 

 

 

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